紅ずわいがに漁業
この漁業は知事許可漁業として操業されていましたが、平成2年に施行された「べにずわいがに漁業の取締に関する省令」による大臣承認漁業を経て、平成14年、「指定漁業の許可及び取締り等に関する省令」中に、「日本海べにずわいがに漁業」として位置づけられ、大臣指定漁業となりました。
なお、資源の回復を図るため策定した「日本海沖合ベニズワイガニ資源回復計画」に基づき、全船で実施されていた6月(30日間)の追加休漁に代わる措置として、平成19年9月から、船舶ごとの年間漁獲量の上限を設定(個別割当て方式)しています。
- 漁期
- 9月1日から翌年6月30日まで
- 漁獲物
- ベニズワイガニ
- 漁場
- 水深800~2000メートルの浜田沖、日御碕沖、隠岐北方、北大和碓、大和碓、新隠岐碓周辺海域
- 漁具の構造
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漁具は、「制限及び条件」により、かご数は9連及び1,350篭(一部6連及び900篭の船もある)とされている。
図は1連1組とした構造図である。
- 網目
- 網目の内径の長さ15cm以上、かごの側面最下部に形成される菱形状の網目の対角線の長さ(縦、横とも)10cm以上
- 漁法
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漁場に到着すると、まず、あらかじめ設置しておいた漁具の1連(150篭)から揚篭にかかる。
揚篭作業は、幹綱を左舷船首側に取付けられたサイドローラーを通し、右舷船首甲板のメインウインチにより巻き揚げ、右舷側に取り付けられたガイドローラー、三方ローラー、案内ローラーを順次通し、ロープワインダーにより、船尾甲板に繰り込む。
また、篭はサイドローラーから揚がってくると、枝綱を離し、選別台の上に吊り、篭の底部を開き、選別台の上にカニを出す。
カニを出した篭は餌を取付け、左舷側の篭送りベルトコンベアーによって船尾に送り、逆さにして積み重ね枝縄を幹縄に取付け、次の投篭に備える。揚篭が終了すると、周囲の海底等を考慮し、投篭位置を決め、投篭を開始する。
投篭作業は、航走しながら船尾から投篭していくが、作業要員として篭を順次取り出し船尾側に送る者(2人)、篭の底を閉める者(1名)、海中に投げ込む者(1名)及び篭を渡す者(1名)で作業が進んでいく。一連の投篭時間は概ね45分程度で終了する。
以上のように、揚篭及び投篭作業が繰り返されるが、1日の作業は3連の揚篭及び投篭が限度とされる。投篭後は約2昼夜設置して揚篭する。
※鳥取県水産試験場 とりねっと
http://www.pref.tottori.lg.jp/92680.htm より転載